発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142687
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55歳男。虚血性腸炎の入院加療中に後腹膜腫瘍を指摘され、腸炎軽快後に当科紹介となった。左内腸骨動脈からのCTAで直径2.5cmの腫瘤を認め、内部に壊死を伴い、間質に富む腫瘍と考えられ、一部腸腰筋との境界不明瞭であった。血管造影では明らかな濃染像を認めず、MRIでは腸腰筋近傍の後腹膜にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号の腫瘤を認めた。悪性腫瘍の可能性も否定できないため腹腔鏡下に腫瘍切除術を行い、病理組織所見より後腹膜神経鞘腫と診断した。術後に外側大腿皮神経が原因と思われる左大腿前面の知覚鈍麻、疼痛が出現したものの軽快し、術後28日目に退院した。退院後は来院がなく、現在までの再発については不明である。
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