発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004170428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
62歳女.上腹部不快感を主訴とした.上腹部超音波所見で,門脈の背側,下大静脈の前方に,内部に隔壁を有する約7cmの腫瘤を認めた.腹部CTでは,左腎静脈,門脈,下大静脈に囲まれ,内部に隔壁を有する嚢胞性腫瘤を認めた.血管造影所見では,腹腔動脈造影で,左肝動脈から分岐する尾上葉枝からわずかに血流を認め,門脈相では,門脈本幹から右枝根部が腫瘍によって腹側に圧排されていた.MRI所見を含め,嚢胞性後腹膜腫瘍と診断し,手術を施行した.腫瘍は周囲の臓器に浸潤しておらず,全周性に剥離して摘出した.病組織学的所見により,神経鞘腫と診断された.術後経過は良好で,再発の徴候は認めていない.神経鞘腫が後腹膜腹腔に原発することは,比較的稀である
©Nankodo Co., Ltd., 2004