発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005264368
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70歳女.患者は腹部不快感を主訴とした.腹部超音波では,左腎尾側に直径約114×93mm大の境界明瞭な嚢胞性変化を伴う腫瘤を認め,CT,MRIでは被膜を有し,内部構造は嚢胞性であるが一部充実性の腫瘍を認めた.被膜はT1,T2強調画像ともに低信号で,内溶液はT1,T2強調画像ともに高信号であった.以上より,後腹膜腫瘍と診断し,手術を施行した結果,病理組織学的所見では紡錘形,多形の腫瘍細胞の束状の配列を認め,神経鞘腫と診断された.更に免疫染色の結果ではS-100蛋白は陽性で,Antoni type優位であり,悪性所見は確認されなかった.術後経過良好で,術後3ヵ月を経過した現在,再発は認められていない.神経鞘腫は顔面,頸部,四肢に好発するが,後腹膜に発生することは0.7%と比較的稀である
©Nankodo Co., Ltd., 2005