発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142682
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75歳女。腹痛にて近医受診し、腹部超音波検査にて左上腹部に腫瘤を指摘され当科紹介となった。胸腹部造影CTでは左上腹部の小腸壁に接して境界明瞭、内部不均一な造影効果を伴う40mm大の腫瘤を認めた。なお、全身皮膚にカフェオレ斑と皮下結節を多数認め、皮膚生検にて神経線維腫の診断が得られvon Recklinghausen(VR)病と診断した。以上よりVR病に合併した小腸gastrointestinal stromal tumorを考え、腹腔鏡補助下に局所切除する方針とした。手術所見で40mm大の小腸腫瘤はTreitz靱帯より30cm肛門側に壁外発育性病変として認め、この近傍に15mm大の同様の腫瘤が存在していた。更に、全小腸にわたって3~5mm大の壁外発育性腫瘤を多数認めた。小腸の切除量を考慮して微小多発病変は経過観察する方針とし、主要病変2個のみ局所切除した。術後経過は良好で、術後3ヵ月の腹部造影CTで再発病変や残存する微小多発性病変の増大は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015