発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142683
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85歳女。嘔吐、腹痛が出現し救急搬送となった。腹部CT所見より絞扼性イレウス、または癌性腹膜炎に伴うイレウスを疑い緊急開腹手術を施行した。手術所見では小腸・腸間膜・壁側・臓側腹膜の観察し得る範囲に粟粒~米粒大の白色結節を多数認め、癒着剥離が困難なため確定診断目的に小腸間膜の結節を摘出し手術を終了した。病理組織所見で悪性所見は認めず、乾酪壊死とLanghans巨細胞を伴う類上皮性肉芽腫を多数認め、Ziehl-Neelsen染色で抗酸菌を認めたことから結核性腹膜炎と診断した。術後経過は良好で転院し、術後12日目より抗結核薬3剤の内服療法を開始したが、術後19日目にイレウスが再燃した。結核性腹膜炎の増悪と考えprednisolone投与、内服困難となったため抗結核薬の変更および注射剤への変更を行うも治療効果が得られず、徐々に全身状態の悪化を認め術後46日目に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015