発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197259
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79歳女。肝硬変の経過観察中に腹腔内腫瘍を認め、腹部造影CTでは右側腹部に嚢胞性部分と充実性部分が混在する腫瘤(10cm大)が存在し、嚢胞成分の壁は不均一に造影され、充実性部分にはFDGの集積を認めた。悪性の腹腔内腫瘍を念頭に手術を行ったところ、腫瘍は茎捻転を伴い回腸末端より約210cm口側腸管の腸間膜対側部と連続しており、茎捻転を解除して腫瘍を含む小腸部分切除を行った。腫瘍には紡錘形の細胞の増殖がみられ、免疫染色ではKIT、平滑筋アクチンは陽性、CD34、デスミン、S-100は陰性で、核分裂は5個未満/400倍50HPFであった。また、腸管の軸捻転、消化管出血や腸管粘膜面の明らかな異常は認めず、茎捻転を伴った有茎性管外発育型小腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013