発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009016674
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34歳男性。患者は腹痛および嘔吐を主訴に緊急入院となった。入院直後より大量の下血を認め、血圧およびHbが低下、輸血が行なわれた。消化管内視鏡では小腸からの出血が疑われ、絶食と止血薬投与にて下血は消失したものの、全身皮膚には小結節とカフェ・オ・レ斑がみられ、皮膚生検結果は神経線維腫であった。一方、腹部CTでは小腸壁に接して約7cm大、リング状に造影される腫瘍像が確認され、上腸間膜動脈造影では空腸動脈より栄養される腫瘍濃染像がみられた。また、FDG-PETでは腹腔内に楕円形に集積が認められ、内部は均一に集積欠損を認めた。以上より、本症例はvon Recklinghausen病(R病)に合併した小腸GISTからの出血と診断され、開腹にて空腸切除術が施行された。その結果、病理組織学的に空腸の高悪性度GISTで、術後は経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008