発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015084592
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69歳男性。便秘を繰り返し近医を受診、便潜血検査が陽性であることから精査目的で大腸内視鏡検査を行なったところ、下行結腸に有茎性腫瘍が認められ、生検でGroup 4であった。加療目的で著者らの施設へ紹介入院後、大腸内視鏡では下行結腸にやや黒色調の中央に陥凹を伴った30mm大のIsp型ポリープみられたが、生検では上皮成分が含まれず確定診断には至らなかった。一方、胸腹部造影CTでは下行結腸に重積が認められ、その先端部に造影効果の乏しい腫瘤を確認、またFDG-PETでは下部結腸にSUV max 7.2の集積が認められたが、その他に有意な集積はなかった。以上より、本症例は悪性疾患の可能性が考えられ、進行大腸癌に準じた手術を腹腔鏡下が施行された。手術時所見では腹腔内を観察すると明らかな転移がみられないものの下行結腸にマーキングを確認、左結腸動脈を温存して#253で郭清が行われた。その結果、切除標本は肉眼的に35mm大で頭部が黒色調の有茎性隆起病変であり、病理組織学的所見で腺内分泌癌と診断された。尚、最終病期診断はMP、med、INFα、ly0、v0,N0(0/36)、PM0、DM0、RM0、Stage Iであった。
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