発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015285007
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69歳女。腹痛、下血を主訴とした。虚血性腸炎の診断で絶食加療を行った。症状改善後に大腸内視鏡を行ったところ、下行結腸に可動性良好の粘膜下腫瘍が認められた。腹部造影CTでは、辺縁に造影効果を伴う内部やや不均一な腫瘤を認めたが、リンパ節腫大や遠隔転移は認めず、下行結腸粘膜下腫瘍の疑いで下行結腸部分切除術を行った。切除標本肉眼所見、病理組織学的所見では、腫瘍は表面平滑、境界明瞭な21×24mmの黄白色調病変で筋層内に存在し、内部にspindle cellの束状増殖が認められた。免疫組織学的検索で、S-100陽性、c-kit、CD34とデスミンは陰性、神経鞘腫と診断した。術後3ヵ月現在、転移や再発は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015