発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015022602
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50歳代男。左腹部痛を主訴とした。2年前に膵仮性嚢胞内仮性動脈瘤に対する血管塞栓術の既往があった。貧血の進行を認め、腹部CTで膵尾部の仮性嚢胞が増大しその内腔および周囲に出血を認めた。腹部血管造影検査では脾門部の仮性嚢胞近くの複数の動脈から出血を認め、ヒストアクリルおよびスポンゼルを注入して止血したが、1日経過して再出血によるショック状態となり、緊急開腹手術を施行した。腹腔内には3000mlの出血を認め、仮性嚢胞から凝血塊を吸引排除すると脾動脈塞栓時のコイルが露出して拍動性出血を認め、胃後壁を中心に広範な壊死を認めたため、仮性嚢胞を含む膵体尾部、脾合併切除および胃全摘術を施行した。術後は第23病日に退院し、10ヵ月経過して膵炎や仮性嚢胞の再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014