症例
塞栓術で治療し得た右大腿骨内AVMの1例
対馬 史泰
1
,
角田 晃久
,
澁谷 剛一
,
掛端 伸也
,
小野 修一
,
高井 良尋
,
大鹿 周佐
,
柳澤 道朗
1弘前大学 大学院医学研究科放射線科学講座
キーワード:
デジタルサブトラクション血管造影
,
Enbucrilate
,
出血
,
塞栓術
,
大腿骨
,
大腿静脈
,
大腿動脈
,
X線CT
,
動静脈奇形
,
動脈瘤-偽性
,
血管内治療
,
コイル
Keyword:
Arteriovenous Malformations
,
Embolization, Therapeutic
,
Femoral Artery
,
Enbucrilate
,
Femoral Vein
,
Femur
,
Hemorrhage
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Angiography, Digital Subtraction
,
Aneurysm, False
,
Endovascular Procedures
pp.1055-1059
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016374364
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症例は30歳代女性で、20歳代より多骨性線維性骨異形成と診断された。5ヵ月前より右大腿痛があり、右大腿骨切迫骨折と診断された。右大腿骨髄内釘固定術中、大転子部のリーミング時に骨内から動脈性出血が起きた。結紮焼灼できず、骨蝋を詰め圧迫止血した。出血は約1000mlで、手術は中止となった。造影CTでは、右大腿骨骨髄内に動脈相での造影効果を認め、骨内動脈性出血を疑った。血管造影にて右深大腿動脈から右大腿骨内に向かう複数の動脈と、大腿骨内に広がる静脈洞あるいは仮性瘤を認めた。動静脈奇形からの出血と診断し、4本の動脈から20%NBCAにて塞栓した。静脈洞は縮小したが、病変が残存したため、追加で20%NBCAによる動脈塞栓を行った。静脈洞はさらに縮小したが、やはり残存し、3回目の血管造影にて静脈アプローチによる塞栓術を行った。病変は消失し、右大腿痛は改善、第47病日に退院した。術後10ヵ月で症状再発なく、合併症もみられなかった。現在も症状の再発なく外来経過観察中である。
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