腹部・臓器出血の診断と治療
膵炎による出血
今村 将史
1
,
木村 康利
,
奥谷 浩一
,
佐々木 茂
,
篠村 恭久
,
林 毅
,
加藤 淳二
,
廣川 直樹
,
晴山 雅人
,
平田 公一
1札幌医科大学 第1外科
キーワード:
インターベンショナルラジオグラフィー
,
血管造影
,
出血
,
膵炎
,
塞栓術
,
X線CT
,
動脈瘤-偽性
,
血管内治療
,
コイル
Keyword:
Angiography
,
Embolization, Therapeutic
,
Hemorrhage
,
Pancreatitis
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Radiography, Interventional
,
Aneurysm, False
,
Endovascular Procedures
pp.1071-1076
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002897
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膵炎における出血性合併症は多岐にわたり、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎、食道・胃・小腸静脈瘤、仮性嚢胞内出血などがあげられる。特に急性膵炎においては、炎症による血管壁の脆弱化からの出血は比較的まれであるが、仮性動脈瘤の形成、そしてその破裂よる出血については高致命率が報告されている。実臨床においては、症状から出血部位の疑いに始まる診断から治療への一連の流れについて、迅速な対応が求められる。治療における第一選択は現在ではinterventional radiology(IVR)である。本稿では、急性膵炎の出血事象としてもっとも面倒な合併症と考えられる仮性動脈瘤に焦点をあて、その診断・治療を概説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2010