特集 脳神経・頭頸部の画像診断update
症例
内頸動脈に仮性動脈瘤を形成した真菌性蝶形骨洞炎の2例
勝浦 尭之
1
,
安藤 久美子
,
河中 祐介
,
若田 ゆき
,
石藏 礼一
,
廣田 省三
,
進藤 誠悟
,
吉村 紳一
1兵庫医科大学附属病院 放射線科
キーワード:
デジタルサブトラクション血管造影
,
アスペルギルス症
,
頸動脈疾患
,
MRI
,
真菌症
,
塞栓術
,
蝶形骨洞炎
,
動脈瘤-感染性
,
内頸動脈
,
頸動脈狭窄
,
MRA
,
致死的転帰
,
動脈瘤-偽性
,
Beta-Glucans
,
血管内治療
,
コイル
,
嚢状動脈瘤
Keyword:
Aneurysm, Infected
,
Aspergillosis
,
Carotid Artery, Internal
,
Carotid Artery Diseases
,
Embolization, Therapeutic
,
Mycoses
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Sphenoid Sinusitis
,
Angiography, Digital Subtraction
,
Aneurysm, False
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Carotid Stenosis
,
Fatal Outcome
,
beta-Glucans
,
Endovascular Procedures
pp.1687-1691
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017096483
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症例1は60歳代男性で、鼻出血を認め、ファイバーにて左鼻内にポリープ様の病変を認めたが出血は認めなかった。翌日深夜に突然の大量の鼻出血を認めたため救急搬送となった。緊急頭部MRIを施行し、T2強調像で左蝶形骨洞に内部に低信号域を伴う高信号域を認め、真菌性副鼻腔炎の可能性が示唆された。MRAにて左蝶形骨洞内に突出するふたコブ状の内頸動脈瘤を認めた。緊急血管造影にて左内頸動脈C5領域に嚢状動脈瘤を確認した。左内頸動脈の母血管にコイル塞栓術を施行した。出血性梗塞や消化管出血を合併し、入院5ヵ月後に肺炎により死亡した。症例は60歳代男性で、転倒後軽度の右片麻痺が出現し、ヘパリン投与で経過をみたが、徐々に症状が進行し、2日後に右上下肢完全麻痺となった。緊急MRIにて多発梗塞を認めた。MRI T2強調像の所見から真菌性副鼻腔炎の可能性が示唆された。4日目に内視鏡下鼻内手術を施行した。65日後に大量の鼻出血をきたし、動脈瘤の破綻を確認した。左内頸動脈母血管にコイル塞栓を行った。左大脳半球の広範な梗塞が生じ、術後12日目に死亡した。
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