発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015022598
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79歳男。下腹部正中に軽度圧痛を認め、腹部造影CTでは痛みの部位と一致して骨盤内正中に先端部が腫大した虫垂を認め、内腔にはガス・液体が貯留し、周囲脂肪織濃度は上昇していた。急性虫垂炎・虫垂粘液嚢腫の疑いで緊急に腹腔鏡下盲腸部分切除を施行した。切除虫垂は12×9.5cm大で内腔は拡張し白色膿汁とゼリー状の粘液の付着を認めた。病理組織学的所見では、虫垂壁は線維性に肥厚し慢性炎症細胞の浸潤を伴い、粘膜面には軽度の核異型を伴う高円柱状細胞の増生像を認めた。一部は乳頭状構造を示し粘液嚢胞腺腫細胞と考えられ、粘液瘤に急性炎症による蓄膿を併発したと考えられた。術後は概ね経過良好で、28日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014