発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367334
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症例1:36歳男。右下腹部痛を主訴とした。X線で右下腹部にX線透過性不良の2個の結石像を認め、CTでは虫垂内腔に結石像を2個(CT値217.4)認め、末梢側虫垂が腫大していた。糞石を伴う急性虫垂炎と診断し、開腹下虫垂切除術を施行した。切除した虫垂は9×2.7cm大で、粘膜面が不整で壁が肥厚し、虫垂内腔に5~7mm大の硬い茶色結石を2個認めた。分析の結果、結石成分はリン酸カルシウム95%以上であった。症例2:46歳女。右下腹部痛を主訴とした。X線で小腸・大腸に著明なガス像を、CTでは虫垂内に2個の結石像(CT値495.7)を認め、虫垂壁の肥厚と腹水貯留を伴っていた。糞石を伴う穿孔性虫垂炎、汎発性腹膜炎と診断し、開腹下に虫垂切除術、腹腔洗浄および腹腔ドレナージ術を施行した。切除した虫垂は7×2cm大で、粘膜面が変性脱落し、壁が肥厚していた。虫垂内腔に3~5mm大の硬い黒色結石3個と5~10mm大の軟らかい糞石2個を認め、結石成分は脂肪酸カルシウム71%とリン酸カルシウム29%であった。
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