発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120695
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63歳女。漠然と腹痛があり、徐々に右下腹部痛へ限局した。腹部CT所見では、上行結腸背側にまわる虫垂(7~8mm大)を認め、虫垂中央部に嚢胞状に突出する、造影効果のある単発性憩室を認めた。明らかな腹水、腹腔内遊離ガス像などを認めなかった。虫垂憩室炎の診断で、全身麻酔下に開腹手術を施行した。右下腹部斜切開で開腹した。虫垂間膜の腫大の目立つ虫垂を認め、腹水なく、順行性虫垂切除を施行した。病理組織学的所見では、虫垂中央部の管腔は筋層構造の欠損した憩室で、その周辺に炎症性細胞の高度な浸潤を認めた。術後経過は良好で、術後7日目に退院した。以後1年を経過し、炎症の再燃を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013