発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367333
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53歳男。右下腹部に限局する圧痛を認め、血液検査で炎症反応の上昇を、造影CTで回盲部に糞石を伴う径65mmの腹腔内膿瘍を認めた。膿瘍形成性虫垂炎と診断し、interval appendectomyを行う方針とした。まず、保存的治療として抗生物質cefametazole、tobramycinの併用投与を行った。入院翌日より腹痛は改善傾向で、微熱が2日間続いたが、第3病日に解熱した。第8病日の造影CTで膿瘍の著明な縮小を認め、第10病日には腹部症状が消失し、食事摂取を開始した。第10病日の血液検査でCRPおよびWBCは正常化しており、第11病日に抗生物質を中止し、第15病日に退院となった。退院後も腹部症状はなく、第65病日の造影CTでは虫垂に軽度の壁肥厚を認めたが、膿瘍はなかった。第70病日に腹腔鏡下虫垂切除術を行い、虫垂は周囲と軽度癒着していたが、腹腔内の膿瘍は認めず、癒着を剥離後に虫垂間膜を順行性に処理して虫垂を切除した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014