発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013380258
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症例は60歳女性で、心窩部痛、嘔吐を主訴に、近医にて急性腹症と診断され、当科紹介となった。腹部造影CT、消化管造影所見より、十二指腸憩室穿通、膿瘍形成と診断のもと緊急手術を施行した。開腹所見では十二指腸憩室内結石による憩室穿通・膿瘍形成が確認され、結石および膿瘍を摘出し、憩室対側の十二指腸壁を切開し、内腔から憩室基部の縫合閉鎖を行った。また胆摘後、膿瘍腔内・右横隔膜下・Morrison窩・十二指腸水平脚近傍にドレーンを留置した。更に十二指腸の減圧目的で経胃的十二指腸瘻を造設した。術後は難治性十二指腸皮膚瘻を併発したが、絶食、中心静脈高カロリー栄養、十二指腸瘻持続低圧吸引による保存的治療、PPIおよびSMSの併用投与により改善し、術後118日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013