発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004301624
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76歳女.主訴は右下腹部痛.腹部超音波所見で右下腹部にacoustic shadowを伴う高エコー像を含む石灰化像を認めた.腹部CT検査で回盲部に輪状構造を示す構造物を含む腫瘤陰影を認めた.腹膜刺激症状を認めたことより,虫垂結石を伴った急性虫垂炎の診断で緊急手術を行った.傍腹直筋切開で開腹し,大網の下垂を認めた.軽度腹水を認めたが,明らかな穿孔はなく,虫垂の腫瘤性変化を認めた.虫垂を切除し断端は層々吻合で閉鎖した.切除標本所見で虫垂は約6cm大の腫瘤性変化を認め,虫垂内には45mm大の結石を認めた.結石の割面は輪状構造であった.病理組織所見で虫垂壁には全層性に炎症細胞の浸潤が認められた.壁構造は保たれており,化膿性虫垂炎と診断された.術後経過良好で,術後19日目に軽快退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004