発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005191725
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29歳女.主訴は下腹部痛.腹部超音波所見で右下腹部に直径10mmで,中心部に高エコー像を伴う虫垂が描出された.急性虫垂炎の診断で開腹手術を施行し,腫大した虫垂と拡張した終末回腸を認め,急性虫垂炎の診断で順行性虫垂切除術を施行した.虫垂根部を離断すると虫垂内腔に複数の毛髪を認め,毛髪を除去し,虫垂断端を埋没縫合した.摘出された虫垂は全長6cmで,粘膜面に発赤,浮腫があり,急性炎症が認められた.虫垂内腔には約2cmの毛髪が4本存在した.術後腹痛は消退し,再度詳細な問診を行った結果,術前約6ヵ月間にわたって左後側頭部の毛髪を自己抜去し,毛髪を繰り返し経口摂取する異食行動の存在が確認された
©Nankodo Co., Ltd., 2005