発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343877
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86歳女。健康診断で、上部消化管造影検査にて胃内腫瘤が指摘され、上部消化管内視鏡検査を行い、2個の胃石が認められた。健康診断の前約2週間にわたり柿を摂取していた。2週間後に腹痛を認め、胃石落下によるイレウスと診断された。イレウス管を挿入したが軽快傾向はなく、腹部CT所見では胃石が小腸内に存在し、同部より口側小腸の拡張が認められ、胃内にはもう一つの胃石が認められた。以上より、小腸における胃石陥頓によるイレウスと診断し緊急手術を行った。Treitz靱帯から約1mの空腸に胃石が陥頓しており、もう一つの胃石は胃内には触知せず、先の胃石陥頓部より約15cm口側に触知した。そのため二つの胃石の部位を含む範囲での腸管切除を行った。摘出標本所見にて、胃石はともに長径4cmでコルク様弾性を呈しており、柿による胃石が考えられた。術後経過は良好で、第9病日に退院した。
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