発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040610
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳男。67歳時に胃癌で幽門側胃切除を施行され、術後6ヵ月に自己判断で通院を中止し、術後1年8ヵ月に心窩部痛、嘔吐を主訴に受診した。上部内視鏡で吻合部再発や狭窄、残胃炎や腫瘍も認めなかったが、症状が改善されず入院となった。CTでは残胃の拡張十二指腸上行部に気泡を伴う類円形の腫瘤を認め、上部消化管造影では十二指腸上行部に透亮像を認めた。経過観察中の内視鏡像より残胃内の胃石の存在が判明し、上部消化管内視鏡にて十二指腸上行部に嵌頓した胃石を認めた。破砕を二度試みたが空腸へ落下し、腹部CTを行い、小腸の拡張および骨盤腔内での胃石の巻頭を認めた。保存療法は困難と判断し、摘除手術を行った。回腸末端から50cm口側の回腸に嵌頓した胃石を認め、嵌頓部の肛門側を横切開し、茶褐色6.4×3.8×4.0cmの弾丸様の胃石を摘出したが、成分の特定はできなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011