発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010242781
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74歳男。患者は腹痛、嘔気を主訴とした。腹部単純X線およびCTで大量の胃内容液貯留と小腸の拡張、更に鏡面像が認められ、入院当初は小腸イレウスと診断された。しかし、後方視的に検討すると、小腸内、胃内に含気を伴う境界明瞭な腫瘤像が指摘され、保存的治療では改善しない判断された。そこで、第6病日目に開腹手術を施行したところ、回腸末端から20cm口側の回腸に可動性のある硬い腫瘤が触知された。閉塞機転と考え、漿膜は正常で可動を有することから、異物とみて、小腸を切開すると、5cm大の結石が摘出された。以上、このことより落下胃石が疑われ、検索を行った結果、2個の胃石が摘出、後に患者より1日柿を10個前後摂取するという嗜好が判明し、本症例は柿胃石と推測された。尚、術後は創感染がみられたが軽快し、第27病日目に退院となった。
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