発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013186091
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82歳男性。既往として約40年前に胃癌による幽門側胃切除術が行われ、15年前には心筋梗塞による冠状動脈内ステント留置術が施行されていた。今回、食欲低下、嘔気、体重減少を主訴に近医を受診、十二指腸third portionに腫瘤が認められたほか、バリウムの誤嚥を起こし、精査加療のため著者らの施設へ受診となった。胸部CTでは両下葉にバリウム斑が認められ、腹部CTにおいては十二指腸下行脚の拡張や55×42mm大の含気性腫瘤が認められた。以上、これらの所見より本症例は胃石の嵌頓によるイレウスと診断され、誤嚥性肺炎に対する治療を行った後、腫瘤摘出術が行われた。その結果、摘出した腫瘤は55×40×30mmの弾性硬で、結石分析はタンニンが98%以上含まれていた。尚、術後の経過良好で、患者は術後13日目に退院となった。
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