発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015390512
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80歳女。1997年に子宮癌の手術、リニアックによる外傷者治療の既往歴があり、以降は腸炎・腸閉塞症状を繰り返していた。今回、腹部膨満症状を主訴に他院入院中、腹部CTで絞扼性イレウス疑い・穿孔性腹膜炎を指摘され、精査加療目的に当院紹介となった。腹部CTでは肝表面に腹水貯留、free airを認め、骨盤腔の腸管内には10mm大の石灰化を伴う構造物がみられた。開腹手術を行ったところ、Treitz靱帯より約30cmの空腸で、明らかな狭窄と前後の腸管の口径不同を認めたため、同部位を約20cm切除した。切除腸管からは植物の種子が確認され、術後の問診で発症数週間前に梅干しを飲み込んだエピソードが判明した。術後経過は良好で、術後第17病日に退院した。
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