発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014230542
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60歳女。ふらつきと息切れを自覚し、高度の貧血を認めた。その原因検索で横行結腸癌を認めた。下部消化管二重造影では、横行結腸の肝彎曲部寄りに全周性の腫瘍による狭窄を認めた。立ち上がりが急峻な周堤を有する不整な陥凹性病変で、2型の進行癌の所見であった。下部消化管内視鏡では、横行結腸肝彎曲部に全周性の2型病変を認め、生検結果は中分化腺癌であった。腹部CTでは、横行結腸肝彎曲部に全周性の不整な壁肥厚を認めた。周囲脂肪織に毛羽立ちを認め周囲への浸潤を疑った。右腎は腎盂が外側を向くような形態となっていた。右上部尿管は右腎外側下縁から腎下極に沿って内側に向かって走行し、以降は正常な位置を左右対称に走行していた。横行結腸の腫瘍と右腎盂は近接し、浸潤も否定できなかった。右腎回転異常を合併し腫瘍と右腎盂が近接した横行結腸癌の術前診断で、腹腔鏡補助下右半結腸切除術を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014