発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014126094
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75歳男。S状結腸癌による大腸閉塞で受診した。即日入院とし、2日後にS状結腸切除術を施行した。病変より口側大腸の検索が術前にできなかったため、術中内視鏡で観察したが、明らかな病変は認めなかった。大腸内視鏡を施行し、横行結腸肝彎曲に側方発育型腫瘍(LST)を認め、粘膜下層への浸潤を疑った。生検で高分化腺癌と診断した。大腸内視鏡所見は、横行結腸肝彎曲に約1/3周性のLSTを認め、生検では高分化型管状腺癌であった。3D-CT所見は、左側結腸は上腸間膜動脈(SMA)からの血流を受けていた。横行結腸LSTの支配血管は中結腸動脈(MCA)右枝であった。SMAからMCAよりも中枢側で副中結腸動脈(AMCA)が分枝していた。腹腔鏡補助下に手術を施行した。3D-CT所見とガイドラインより、切離血管はMCA右枝とするD2郭清の方針とした。術後の経過は良好で、7病日に軽快退院した。
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