発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005156412
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47歳男性.患者は人間ドックで胃透視検査を受け,7日後,腹痛で救急外来受診となった.所見では,腹部は板状硬,筋性防御と反跳痛を認め,WBC,CRP,血糖値の高値を認めた.X線では右横隔膜下に遊離ガス,左側下腹部にバリウム斑を認め,CTでは腹腔内に遊離ガス,小腸壁の肥厚,S状結腸内にバリウム貯留が認められた.また,上部消化管内視鏡では上部消化管に潰瘍などの器質的病変や穿孔は認めず,下部消化管穿孔と診断された.緊急手術を行ったところ,汚染された腹水,広範な小腸の発赤浮腫とS状結腸に径3cmの穿孔を認め,バリウム混入の便塊の漏出を認めた.穿孔部を含め10cm切除し,洗浄後に口側断端を人工肛門として腹壁に固定した.結腸仮性憩室穿孔と診断し,6ヵ月後に人工肛門閉鎖術を行った
©Nankodo Co., Ltd., 2005