発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014042100
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症例は72歳女性で、腹部膨満感とその後の下痢で内科を受診し、内服処方をされたが効果はなく、症状出現時に夕食を絶食し、翌朝出現する下痢症状後に腹部膨満感が軽快するというエピソードを繰り返していた。初診4ヵ月後に絶食しても軽快しなくなり、精査加療目的に外科に紹介入院した。X線で右横隔膜下に肝前面に及ぶ大腸ガス像を認め、CTでも右横隔膜と肝臓の間に結腸ガス像を認めた。注腸検査では横行結腸の拡張を認めるも肛門側に明らかな狭窄は認めず、Chilaiditi症候群と診断し手術を行った。横行結腸は肝上面に嵌入して拡張しており、肝臓が尾側に押し出されて肝鎌状間膜が伸展・弛緩していた。横行結腸が肝上面に嵌入しないように壁側腹膜と横行結腸の結腸ひもを縫合固定し、伸展した肝鎌状間膜を壁側腹膜に縫合・短縮させた。術後経過は良好で22日目に退院した。退院後の外来受診で症状の再発は認めず、3ヵ月後に画像上治癒と判断し、終診とした。
©Nankodo Co., Ltd., 2013