発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004039750
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73歳男.腹痛を主訴とした.注腸造影X線検査,大腸内視鏡検査にて左側結腸の大腸憩室,S状結腸の伸展不良を指摘され,経過観察していたところ腹痛が増強し,腸閉塞の診断で横行結腸に結腸瘻を増設された.その後,注腸造影X線検査にてS状結腸の狭窄と下行結腸から直腸S状部の憩室が認められた.大腸内視鏡検査ではS状結腸に狭窄が認められたが,粘膜は平滑であった.S状結腸狭窄を合併した左側型大腸憩室,胆石症の診断にて手術を行った.摘出標本所見ではS状結腸は約10cmにわたって壁肥厚があり狭窄していた.病理組織所見では狭窄部では輪状筋の肥厚が著明で,厚さ約9mmであった.悪性所見はなく,炎症細胞浸潤等の炎症所見も認めなかった.術後経過は良好で退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2003