発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013380257
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症例は55歳男性で、呼吸苦、咳嗽を主訴に、近医にて逆流性食道炎の増悪と診断された。帰宅後も症状が改善せず、嚥下困難、食事摂取困難、SpO2の低下、咳嗽の増悪を認め、第10病日に当科紹介となった。胸部単純CT・上部消化管内視鏡所見より、逆流性食道炎に伴った食道潰瘍による食道気管支瘻と診断し、二期的再建術を施行する方針とした。第26病日に初回手術として食道切除術、頸部食道瘻造設、左主気管支瘻部の心膜パッチ閉鎖術、広背筋皮弁被覆術、胃瘻、腸瘻造設術を施行した。術後に肺炎を肺発したが、抗生物質投与にて軽快した。第76病日に再建手術を行い、胃を遊離した後大彎側細径胃管を作製、胸壁後経路、頸部食道胃管吻合術を施行した。再建術後は吻合部狭窄を呈したが、吻合部バルーン拡張術で軽快し、第111病日に退院となった。術後14ヵ月経過した現在、無症状で経過観察中である。
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