発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004156766
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膿腎症に合併した腰部皮下膿瘍の2例を経験した.症例1は73歳女,直腸癌のため低位前方切除術を施行し,術前に左腎結石を指摘されたため経過観察されていたが,左腰部の軽度腫瘤に気付き,疼痛が増強したため受診した.左腰部に約20cm径の腫脹を認め,左腰部蜂窩織炎と診断し,抗菌薬の点滴静注を開始したが改善しないため,約10cmの横切開を施行した. 疼痛は消失したが大量の奬液性の膿が流出し,その後も軽減しなかった.腹部単純CTにて左腎結石による左膿腎症に起因する左腰部皮下腫瘍と診断され,左逆行性腎盂膿は軽減した.症例2は,52歳男で,右腎結石で通院加療中であった.右腰部に軽度の疼痛が出現し,腫脹していることに気付き受診した.CTを施行,膿腎症による右腰部皮下膿瘍と診断した.皮下膿瘍を切開排膿,抗菌薬点滴,経尿管的に排膿し,血液検査にてWBC,CRPが正常範囲となった
©Nankodo Co., Ltd., 2003