発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013367593
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大腸癌手術110例を対象とし、75歳以上の48例(A群)と75歳未満の62例(B群)の2群に分け臨床的項目を比較した。A群では有意に女性が多く、術前のperformance statusが有意に不良であった。基礎疾患を持つ症例はA群で有意に多く、特に高血圧、認知症、心疾患、呼吸器疾患が多かった。術前のアルブミン値と予後栄養指数はA群で有意に低かった。腫瘍の特徴は、A群は右側結腸癌が有意に多く、また分化型癌が有意に多く、その他肉眼型、壁深達度、リンパ節転移等に両群間で有意差はなかった。手術は、A群では侵襲度の低い術式が多く、リンパ節郭清が手控えられていた。手術時間、出血量、術後合併症の発生率とその内訳に両群間で有意差はなかった。術後合併症の発生率やその内訳に両群間で有意差はなく、また術後在院日数にも有意差はなかったが、A群では他病死による在院死亡が有意に多くみられた。全生存率はA群で有意に予後不良であったが、疾患特異的生存率は両群間で有意差はなかった。
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