発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010313473
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著者らは大腸癌穿孔の臨床的検討を行った。対象は2001年7月~2008年3月までに経験した大腸癌による穿孔15例(男性5例、女性10例、平均年齢72.7歳)であった。1)自覚症状は腹痛13例、嘔気、呼吸困難各1例で、発症から手術までは平均27.2時間であった。2)WBC数は平均10079/μlで、うち4000/μl以下が4例(26.6%)、12000/μl以上が5例(33.3%)であった。また、CRPは平均18.7mg/dlであった。3)大腸癌の占拠部位はS状結腸6例(40%)、直腸5例(33.3%)、盲腸2例(13.3%)、上行結腸、横行結腸各1例(6.6%)で、穿孔部位はS状結腸、直腸各5例(33.3%)、盲腸2例(13.3%)、上行結腸、横行結腸、回腸末端各1例(13.3%)であった。尚、穿孔形式は遊離穿孔9例(60%、全例汎発性腹膜炎)、被覆穿孔6例(40%、全例限局性腹膜炎)であった。4)手術は全例で緊急手術が行われ、手術時間は平均220分、出血量は平均361mlであった。5)予後は術死が1例あり、ショック5例中2例にはエンドトキシン吸着を用いて救命し得た。
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