発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007209507
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76歳男。4年前より肺気腫、気管支喘息で治療した。心窩部痛を主訴に受診し、胃癌の診断で入院となった。やせ型でやや栄養不良であった。腫瘍マーカーは正常範囲、血液一般、生化学的異常はなかった。上部消化管造影で体上部小彎後壁を中心に大きな陥凹を伴う2型の腫瘍性病変を認めた。胃内視鏡では体上部後壁に環状隆起に囲まれた潰瘍性病変があり、生検で低分化から中分化の腺癌と診断した。D3リンパ節郭清を伴う胃全摘術を施行した。肝転移、腹膜播種は認めず、骨盤腔の洗浄細胞診も陰性であった。α-フェトプロテイン(AFP)産生胃癌は肝転移やリンパ節転移をきたし安く生物学的悪性度が高い予後不良な癌として知られている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007