発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197264
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37歳女。腰背部痛を主訴とした。上行結腸背側の後腹膜腫瘍にて紹介され、入院時の腹部造影CTでは虫垂背側に接する嚢胞性腫瘤を認めたが、内部均一で充実成分や隔壁様構造、周囲脂肪濃度変化や石灰化は認めなかった。術前診断では悪性所見を認めず、若年女性であるため腹腔鏡下に手術を行ったところ、上行結腸や虫垂に腫瘍はなく、上行結腸背側に、後腹膜に覆われた境界明瞭な腫瘍を認めた。腫瘍は単房性腫瘍(95×65mm)でほぼ鈍的剥離により遊離でき、バッグに収納した後、直視下で内容液を穿刺吸引して腹腔外へ摘出した。穿刺液の細胞診所見では変性した上皮様の細胞を数個認めるのみであり、病理組織学的に後腹膜原発粘液嚢胞腺腫と診断された。術後経過は良好で、現在は外来で経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013