発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197261
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75歳男。腹痛、嘔吐を主訴とした。右下腹部に手拳大の膨隆と同部位の圧痛を認め、鼠径ヘルニア嵌頓の疑いで用手的に還納するも症状は改善せず、腹部単純X線像、腹部単純CT像では右上腹部を中心とした小腸の拡張像、小腸イレウス、右下腹部腹腔内のボール状のclosed loopを認めた。保存的治療ではイレウス症状の改善が得られず、準緊急で開腹手術を行ったところ、浮腫状に肥厚したリング状の腹膜に小腸が絞扼され、ヘルニア嚢に包まれて嵌頓した状態のまま腹膜前腔に落ち込んでいた。鼠径ヘルニア偽還納による絞扼性イレウスと診断してイレウス解除と穿孔部の小腸部分切除を行い、術後は良好に経過した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013