発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197260
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80歳男。上腹部痛を主訴とした。糖尿病にてα-グルコシダーゼ阻害薬内服中であり、入院時には腹部全体の膨満と圧痛を認めたが、筋性防御や反跳痛は認めなかった。腹部X線所見、腹部CT所見では両側横隔膜直下、肝周辺、小腸周辺にfree airを認め、消化管穿孔による気腹症との鑑別が困難なため、腹腔鏡下腹腔内観察を行ったところ、回腸の腸管・腸間膜管の漿膜直下に粟粒大の気腫を多数認めた。回腸腸管嚢腫様気腫症による気腹症と診断して洗浄とドレーン留置を行ったが、腹腔内洗浄液は無菌で、後日の上下部消化管内視鏡検査では表層性胃炎と炎症のない結腸多発憩室が指摘されるのみであった。α-グルコシダーゼ阻害薬の服薬歴から同薬を中止したところ、放屁・腹部膨満感はなくなった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013