発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360647
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87歳男。嘔吐、腹部膨隆を主訴とした。脳出血で、寝たきり状態であった。入院時腹部単純臥位X線で、小腸ガス、大腸ガスを多量に認め、小腸壁に類円形の透亮像を広範囲に認めた。胸腹部CTで、小腸壁には広範囲に気腫を認め、腹腔内遊離ガスも多量に認めた。縦隔全体にも気腫を認め、頸部には皮下気腫も伴っていた。また、後腹膜にも気腫を認めた。腹水は認めなかった。腸管嚢胞性気腫症(PCI)と診断し、腹膜刺激症状を認めなかったため、保存的治療を行った。入院後は絶飲食とし、腸刺激を行い、腸管ガス等は次第に減少した。第9病日から経口摂取を再開し、第20病日のCTでは腹腔内遊離ガスは残存していたが、腸管の気腫、縦隔気腫、後腹膜気腫は消失していた。以後PCIの再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012