発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015034375
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は67歳男性で、12年前に急性心筋梗塞で入院した際に2型糖尿病を指摘され、8年前よりアカルボース、5年前に禁煙後、アルコール、食事量が増加し、血糖値が悪化したため、メトホルミンを追加された。排便も順調であったが、便潜血検査陽性のため消化器内科を受診した。糖尿病コントロールは不良で脂肪肝によると思われる肝胆道系酵素上昇を認めた。横行結腸に多発するクッションサイン陽性の軟らかい隆起を認め、病理診断は軽度~中等度の細胞浸潤を伴う大腸粘膜のみで明らかな嚢胞構造は確認できなかった。画像所見よりαグルコシダーゼ阻害薬(αGI)内服による腸管嚢胞性気腫症(PCI)と診断した。原因と考えられるαGIを中止し、sitagliptinに変更し、症状のないことから通院経過観察とした。通院中に心筋梗塞を発症し、カテーテル治療、手術などが行われ、3ヵ月後、1年後のCTで腸管気腫の消失を確認し通院終了とした。
©Nankodo Co., Ltd., 2014