発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012187914
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1は89歳女で、腹痛を主訴とした。腹部CTにて腹腔内遊離ガスおよび腹水貯留を認め、消化管穿孔を疑った。緊急開腹手術を行ったところ、全ての小腸間膜に多数の気腫状変化を認め、腹腔内に多量の腹水を認めた。胃・十二指腸、小腸、結腸、直腸に穿孔は認めず、腹腔内の腹水からは菌体は検出しなかった。以上より、消化器穿孔を伴わない腸管嚢腫様気腫症と診断し、肝下面とDouglas窩にドレーンを留置した。症例2は91歳女で、意識消失発作、腹部膨満感を主訴とした。腹部単純X線にて小腸腸管壁に沿って線状透亮像を認め、腹部CTにて腹腔内遊離ガス、少量の腹水、小腸間膜に多数の気腫像を認めた。腸管嚢腫様気腫症と診断し、絶飲食、補液、酸素吸入法による保存的加療を行った。術後経過は良好で、症例1は第25病日、症例2は第28病日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012