発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016019471
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症例は63歳男性で、腹部膨満と胸やけを主訴に受診した。2年前より便秘となり、6ヵ月前より腹部膨満が出現、2ヵ月前から胸やけも自覚した。腹部膨満と胸やけが漸次増悪し受診した。胸部CTで肺野、縦隔に異常はなく、上部消化管内視鏡検査で中等度の滑脱型食道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎及び十二指腸球部の潰瘍瘢痕を認めた。小腸の慢性偽性腸閉塞症(CIP)に併発した腸管嚢腫様気腫症(PCI)と考えた。エリスロマイシン、モサプリド、ラベプラゾールなどを投与し、胸やけは消失したが、腹部膨満は改善せず、2週間後に入院した。絶食とし、ディノプロスト及び酸素投与を開始した。腹部膨満は改善し、小腸の拡張は減弱し、気腹の減少も見られたが少量の腹水を認めた。入院2週後の腹部CTではChilaiditi症候群は解除された。入院23日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015