発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007346130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
78歳男。吐下血を認め内科精査入院した。眼瞼結膜に著明な貧血を認め、腹部は平坦、軟であるが左季肋下に腫脹した脾臓を触知した。血液検査ではWBCが上昇し、骨髄球、後骨髄球など幼弱な白血球像及び赤血球像を認めた。上部消化管内視鏡で胃前庭部に全周性の狭窄を認め、中心部に潰瘍を伴う隆起性病変が出現した。胃透視所見は胃前庭部より幽門にかけて内腔の狭窄を伴う腫瘤像を認め、腹部CTでは腫瘍部に一致して幽門前庭部の胃壁肥厚像を呈し胃小彎にリンパ節腫脹が散見され、腸間膜部にも数mm大のリンパ節が散見された。著明な脾腫がみられたが肝転移や癌性腹水はみられなかった。慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)に合併したタイプ3の進行胃癌と診断し、輸血、高カロリー輸液で貧血、低栄養状態改善をはかり、リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除を行った。術後DICに陥り死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007