発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013186087
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術後に発症したC.difficile関連下痢症(CDAD)11例(男性9例、女性2例、平均70.3歳)を対象に、これらの疾患の特性について検討した。その結果、1)疾患の内訳は大腸癌6例、肝門部胆管癌1例、腹部炎症性疾患3例、右鼠径ヘルニア1例であった。2)術前の平均在院日数は9.5日で、既往症のある症例は10例であった。3)手術形式は腹腔鏡補助下結腸および直腸切除術や開腹による回盲部切除術、または下部消化管手術が多い傾向にあった。4)CDADの術後発症時期は術後平均6.9病日で、便検体による嫌気培養にて陽性を示した症例は10例(90.9%)であった。尚、CD Toxin A/Bの検査は4例で実施され、全て陽性であった。5)CDADの治療方法はvancomycin hydrochlorideおよび整腸薬の経口投与で、抗生物質は中止した。6)初回のCDAD発症後の再発例はなく、全例が存命中であったが、8例で術後合併症認められ、術後平均在院日数は21日であった。7)CDAD発症時期は2010年7月~9月に4例と最も多く、以後は減少し、2011年4月以降は認められなかった。
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