発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360651
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50歳女。左下腹部膨隆を主訴とした。43歳時、直腸癌で腹会陰式直腸切除術を他院で施行された。約1年後から人工肛門周囲部の膨隆を認めたが、既往のアルコール性肝硬変の治療を優先し、保存的に加療されていた。膨隆は次第に著明となり、ヘルニアバンドでの制御も困難となって、生活に支障を来すため受診した。腹部CTにて左下腹部に腸管内容の突出と少量の腹水を認めた。肝硬変はChild分類Bであった。腹会陰式直腸切除術後、傍人工肛門ヘルニアの診断で、手術を施行した。侵襲を少なくするため、腹膜前腔にメッシュを入れ、さらに筋膜上にもメッシュを入れて補強し、ドレーンを挿入した。二重に抑えを効かせて強度を増した結果、24ヵ月を経過する現在、感染、再発の徴候は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012