発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360652
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57歳男。直腸癌による穿孔性腹膜炎で緊急に腹腔内ドレナージ術、人工肛門造設術を施行した。その後、補助化学療法を実施したが、肝S4に20mm大の転移巣を指摘された。化学療法により8mmまで縮小し、18F-FDG-PET/CTでは肝転移巣も含めて他臓器へ異常集積は認めなかった。しかし、Gadolinium ethoxybenzyl diethylenetriamine pentaacetic acid造影MRIで、周囲肝実質より低信号を示す主病変のほか、新たにS4ドーム下にも7mm大の結節性病変を認めた。経動脈門脈造影下CTで新部位は主病変と同様に、造影欠損像を示した。直腸癌肝転移と診断し、肝S4部分切除術、人工肛門閉鎖術を施行した。病理組織学的所見で、前回の組織像とほぼ同じ中分化型腺癌を認めた。術後経過は良好で、肺・腹腔内リンパ節に再発を来し、現在外来で化学療法中であるが、社会復帰した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012