発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360650
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61歳女。右下腹部痛を主訴とした。CTで腹腔内のいたるところに遊離ガスを認めた。また、虫垂由来と考えられる境界明瞭な腫瘤性病変を認め、不完全な被膜様石灰化を伴っており、内部に僅かな気腫を認めた。一部腫瘤周囲に脂肪織の濃度上昇域を認めた。画像上、虫垂粘液瘤の破裂が疑わしかったが、臨床上は膿瘍形成を伴う穿孔性の急性虫垂炎も疑い、緊急手術を施行した。右下腹部に小手拳大の嚢胞状に腫大した虫垂を認めた。虫垂周囲には白色の粘液状物質を認めた。虫垂の中央、虫垂間膜反対側の壁に1cm大の穿孔部位を認めた。虫垂内腔に粘液状物質を認めたため穿孔部位を閉鎖した。虫垂粘液瘤の破裂と判断し、粘液状物質が腹腔内に散布しないように可及的に取り除いた。病理組織学的に悪性所見は認めず、虫垂炎を伴う虫垂粘液嚢胞腺腫による虫垂粘液瘤破裂と診断した。術後経過はおおむね良好で、外来通院中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012