発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012307405
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33歳女。間欠的な右下腹部痛を認め、腹部造影CTで虫垂炎を疑われ紹介となった。腫瘤は触知せず、軽度炎症反応の上昇を認め、腹部超音波で回盲部内腔は液体および残渣様高エコーを呈し、回腸との連続性管腔構造を認めた。MDCTでは、上行結腸内に腫大した内部均一な嚢胞性構造物および多重輪像影が明瞭に描出された。緊急大腸内視鏡を行ったところ、虫垂開口部に粘膜下腫瘍様の隆起を認めた。引き続き大腸内視鏡下造影を行ったところ、盲腸内に表面平滑な円形の腫瘤陰影を認めた。造影剤の回腸への流入は良好で送気により重積が解除されており、待期的に腹腔鏡補助下回盲部切除術、D1郭清を施行した。虫垂は7.0×2.5cmと著しく腫大し、全体が嚢腫を形成し、盲腸内腔に陥入・突入した円筒状粘膜下腫瘤様を呈し、虫垂内腔は中枢側と遠位側に分かれていた。病理所見より、虫垂嚢胞粘膜は広範囲に脱落を認めるが、粘膜上皮に明らかな異型細胞は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012