発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017300894
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37歳男。2ヵ月前より持続する腹痛を主訴とした。左上腹部に圧痛を認めたが、腹膜刺激徴候はなかった。腹部造影CTでは横行結腸に嚢胞成分を有する35mm大の腫瘤が先端部となる腸重積所見を認め、注腸造影検査では横行結腸にカニの爪状の腸重積所見を認めたが重積は解除されなかった。大腸内視鏡検査では送気により重積は解除し、虫垂開口部にvolcano signを認めた。虫垂粘液嚢腫による腸重積と診断し、腹腔鏡下手術によりD2郭清を伴う回盲部切除術を施行した。切除標本所見にて虫垂は30mm大に腫大し、虫垂内腔には虫垂粘液球症を呈し、病理組織検査では軽度の核異型を伴う低乳頭状上皮を認め、虫垂粘液嚢胞腫と診断した。合併症は特になく術後7日目に退院し、術後12ヵ月現在無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2017