発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016402980
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著者らの施設で成人鼠径ヘルニアに対し腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行った46例(TAPP群)の手術成績について、前方アプローチ法で行った99例(AA群)と比較検討した。その結果、1)平均術後在院日数はTAPP群が1.9日、AA群が2.5日と、TAPP群の方が有意に短かった。2)平均術後鎮痛薬投与回数はTAPP群1.2回、AA群2.4回とTAPP群で有意に少なかった。3)術後合併症は両群間で有意差を認めず、短期再発は両群とも認められなかった。4)TAPP群について、臍部カメラポートを5mmで行った29例(5mm群)と12mmで行った17例(12mm群)に分け検討すると、平均術後在院日数、平均術後鎮痛薬投与回数は12mm群とAA群の間では有意差を認めなかったが、5mm群はAA群と比べ、いずれも有意に少ない結果となった。以上より、TAPP法は臍部のカメラポートを5mmにすることで術後疼痛を大幅に軽減でき、潜在的両側例の診断に有用であることが考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016